自民筆頭理事の国会質問─10年前の発言の一部を切り取った捏造
月曜日(9月14日)の参議院の安保法制特別委員会で、自由民主党の筆頭理事である佐藤正久議員が、私の2003年、10年以上前の読売新聞における対談での発言を部分的に切り取って、「岡田代表も集団的自衛権の行使を認めている」という発言をしました。
委員会という場での発言です。私のホームページに対談の全文を載せていますので、是非ご覧いただきたいと思いますが、この発言で、私が申し上げたのは3つです。
まず最初に、
「集団的自衛権は非常に幅広い概念で、その中で、米国本土が攻撃された場合など、これは憲法上は問題である」
ということを申し上げたうえで、次の2段目で申し上げたのが、佐藤さんはそこだけを引用されたのですが、
「日本を防衛するために活動している米軍が攻撃された場合、日本に対する行為と見なし、日本が反撃する余地を残すのは十分合理性がある」
こういうことを申し上げたわけです。
「集団的自衛権の中身を具体的に考えることで十分整合性を持って、憲法との関係を説明できる」という部分だけを佐藤さんは取り上げて、私が集団的自衛権の行使を部分的に認めていると言われたのです。
しかし、そのあと続きがありまして、同じ発言の中で、私が述べているのは、
「ただ、日本を守るため公海上に展開している米軍艦艇が攻撃された場合という限られたケースなので、むしろ個別的自衛権の範囲を拡張したと考えた方がいい。集団的自衛権という言葉を使わない方がいい」
と、結論は集団的自衛権ではなくて、個別的自衛権の拡張という形で対応すべきと述べているのです。
最後の結論の部分を切り取って、その真ん中の部分だけを強調し、私の発言の自分に都合のいい所だけを取り出したというのは、まさしく捏造(ねつぞう)であり、自由民主党の筆頭理事として、無責任な態度だと言わざるを得ません。
是非ホームページをご覧いただきたいと思います。
▼読売新聞 与野党4幹事長・憲法座談会(2003年5月3日朝刊)
抜粋→ https://www.katsuya.net/20150917_yomiuri.html
全文→ https://www.katsuya.net/opinion/2003/05/post-77.html
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