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東芝危機─地元にも工場、英知を結集して困難を乗り越えてほしい

東芝の経営危機をメディアが大きく報じています。

日本を代表する巨大名門企業が債務超過とは驚きですが、実は私の地元には、長い歴史のある三重工場と半導体の四日市工場があります。「東芝」の名前が残り、何よりも雇用が守られることを切望しています 。

加えて、四日市工場は日本の半導体製造の最大の拠点で、サムソンとフラッシュメモリー市場で激しく競っています。継続的に巨額投資が必要です。

関係者が英知を結集して、困難を乗り越えることを強く願っています。



コメント
  1. BUSINESS LIBERALISMこと 松崎宣明 より:

    【東芝救済および脱原発は、再生可能エネルギー普及と水素エネルギー革命のための総合的政策パッケージの中に位置付けられるべきであることについて】

    1. 東芝救済および脱原発と総合的政策パッケージの必要性

    岡田前代表がおっしゃられているように、日本を代表する巨大名門企業・東芝が債務超過に陥っていることは驚くべきことだと思います。

    東芝の経営危機は、不正会計・粉飾決算がきっかけとなりましたが、より根本的には、経済的に採算が取れない原発ビジネスに固執したことが要因であると思います。化石燃料・原子力エネルギーから再生可能エネルギーへの流れは、歴史の必然です。それに逆らおうとすれば、どんな企業も持ちこたえられません。

    報道によりますと、民進党の蓮舫代表は、党の公約である「2030年代脱原発」を前倒しし、「2030年脱原発」を党の方針として打ち出すことを検討されているそうです。ありがとうございます。しかしながら、残念なことに、原子力産業と密接な関わりを持つ電力総連、基幹労組、電機連合の各組合が、脱原発の前倒しに反対しているそうです。

    このような状況の下、私は、東芝救済および脱原発は、個々別々の政策として扱われるべきでなく、より包括的な「再生可能エネルギー普及と水素エネルギー革命のための総合的政策パッケージ」の中に位置付けられるべきであると思っています。

    2. 再生可能エネルギー法改正と水素エネルギー革命

    すなわち、まず再生可能エネルギー法を改正し、ドイツ再生可能エネルギー法のように、再生可能エネルギーによる電力の優先接続・優先買取を法律上義務付けるべきです。それにより、再生可能エネルギーと電力貯蔵に対する巨大な需要が生まれます。

    火力発電・原子力発電による電力に対し、再生可能エネルギー電力を優先させ、再生可能エネルギー電力の送電網への優先接続並びに優先買取を法律上義務付ければ、太陽光発電や風力発電を始めとする再生可能エネルギーの普及が加速度的に進みます。と同時に、昼と夜あるいは季節の違いで大きく変動する再生可能エネルギー電力に対応するため、電力大量貯蔵の需要が生じます。それを受け、水素電力貯蔵を一気に実用化することが考えられます。

    再生可能エネルギーの普及拡大をライフワークとされている岡田前代表が誰よりもご存知の通り、余剰電力を使い、水を電気分解して水素を生み出し、水素の形で保存しておけば、何ヶ月でも貯蔵が可能です。そして、電気が必要となったとき、いつでも逆反応で電気を取り出すことが出来ます。また、水素を水素自動車の燃料として使うことも可能です。さらに、水素から合成メタンを生成し、燃料として使うことも可能です。合成メタンにすれば、通常の天然ガスと同じ方法で貯蔵出来ます。すでに、要素技術は確立されており、あとは大規模に需要を生み出し、実用化するだけです。

    実は、すでに東芝は、この水素電力貯蔵のための要素技術を持っています。そのため、東芝の経営立て直しは、この水素電力貯蔵技術を中核にして行うべきです。政府が水素エネルギー革命のロードマップを示し、政府系金融機関がバックアップすることを明言すれば、東芝への民間銀行の融資が可能となり、さらに社債発行を通じた資金調達が可能となります。東芝は、虎の子の半導体事業も維持すべきです。一方、原子力発電部門については、その大部分を売却し、廃炉ビジネス部門として再編成すべきです。

    大切なことは、政府・政治家が水素エネルギー革命を実現するという強い決意を示し、必ずやり抜くと宣言することです。それによって、人、物、金が動きます。

    ちなみに、今年1月、自動車メーカーのトヨタやホンダ、ダイムラー、石油会社のシェルやトタル、ガス会社のエア・リキードなどが中心となり、水素社会を実現するための、国際的な協議会「HYDROGEN COUNCIL」が結成されました。今後5年間で、1兆円を超える資金を投入するそうです。水素エネルギー革命は、まさに始まりつつあります。

    3. 原子力産業従事者の雇用確保

    一方、再生可能エネルギーの普及と水素エネルギー革命の実現にともない、脱原発は前倒しすべきです。変動する再生可能エネルギー電力のバックアップとして、出力調整が可能なガス火力発電所の一部は維持する必要があります。しかしながら、恒常的に一定の出力しか出せない原子力発電は、その性質上、再生可能エネルギーとの共存に不向きです。脱原発の前倒しあるいは即時脱原発を行うべきです。

    ただ、同時に特別立法を制定し、原子力産業に従事されているみなさんの雇用を確保することが必要です。急速に拡大する廃炉ビジネスや再生可能エネルギー関連ビジネス、水素エネルギー関連ビジネス等の分野で、優先的に雇用枠を設け、雇用を確保することが考えられます。大切なことは、政府・政治家が、政治生命をかけ、「絶対に誰一人として失職させない。」と明言・約束することです。それによって、電力総連、基幹労組、電機連合を説得すべきです。

    4. 再生可能エネルギー普及と水素エネルギー革命における国際的協力

    なお、水素エネルギー実用化の過程において、日本の政府資金と中国のAIIBの資金を投入し、日本において確立した技術を中国において、より大規模に実用化することが考えられます。政府とAIIBの資金が投入されれば、それが呼び水となり、国際的な民間資金も投入されることになるでしょう。大切なことは、政治が主導し、法改正と資金投入を起爆剤として、水素エネルギー革命の大きな流れを作り出すことです。

    また、台湾が参加することも可能かも知れません。台湾は、すでに2025年までの脱原発を決断しており、再生可能エネルギーの普及と水素エネルギーの活用を必要としているからです。民進党の蓮舫代表は、台湾民進党とのつながりもお持ちです。再生可能エネルギーの分野で、中国ー日本ー台湾の協力を実現する、貴重な橋渡し役を担っていただけるかも知れません。

    さらに、ヨーロッパ諸国との協力、そして、カリフォルニア州を始めとする再生可能エネルギー普及に熱心なアメリカ各州との協力も大切です。再生可能エネルギー普及と水素エネルギー革命は、人類的な課題だからです。呼びかければ、彼らは必ず応えてくれます。


    民進党を始めとする野党は、(1) 中国との良好な外交関係を回復すること、(2) 東アジアの平和を維持するため、北東アジア非核兵器地帯の設置と、台中関係の平和的推移を実現すること、(3) 中東地域安定のための外交的枠組みを構築すること、(4) 各国・各地域と連携しつつ、持続的成長につながる再生可能エネルギー産業や電気・水素自動車関連産業を成長の柱とすること、(5) 拡大する中国消費市場の実需に基づき景気拡大を実現すること、を主張すべきです。

    総選挙があれば、与党は必ず議席を減らします。一刻も早く総選挙を実施して政権を交代すべきです。平和主義と民主主義に立脚した新しい政権を樹立すべきです。


    参照資料:
    (1)「東芝が目指す水素社会」東芝

    (2)「東芝における 再エネ由来水素の利活用の取組み」、経済産業省・水素・燃料電池戦略協議会、2015年11月11日

    (3) プレスリリース「再生可能エネルギーと水素を用いた自立型エネルギー供給システムが運転を開始」、東芝、2015年04月20日

    (4) プレスリリース「府中事業所に『水素エネルギー利活用センター』を建設」、東芝、2016年11月28日

    (5) “Toshiba seeks hydrogen-powered recovery”, Nikkei Asian Review, September 14th 2016

    (6) “Toyota, Shell Among Giants Betting $10.7 Billion on Hydrogen”, Bloomberg, January 18th 2017

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