地域づくり─自然エネルギーを活用した石徹白
超党派の「自然エネルギー社会実現議員連盟」の仲間とともに、岐阜県郡上市(ぐじょうし)石徹白(いとしろ)の小水力発電を視察しました。
石徹白は岐阜県と福井県の県境にあり、人口270人、65歳以上が半分という地域です。過去には、白山信仰の拠点として栄えましたが、近年は急速に過疎化が進んでいました。
NPO法人が中心となって、2009年のらせん型水車の設置をスタートに、4つの小水力発電機が設置されています。特に、2016年に設置されたものは、一般家庭150世帯分の発電を行っていますが、事業主体は地域住民が出資した農業組合で、電力会社に売電した収益が地域振興に活用されるというユニークな仕組みになっています。
注目点の1つは、日本の山間部にどこにでもある高低差のある水流を活用した小水力発電です。初期費用を手当てすることができれば、維持費はほとんど必要なく、日本の山間部で設置可能な地域はかなりありそうです。小水力発電所設置をきっかけに地域がまとまり、かつ新たな特産品(写真)の開発なども行われています。子育て世代が移住し、全国的注目を集めているのです。2008年以降の移住者とその後生まれた子どもは、人口の1割以上となる13世帯、32人となっています。現在、地元の小学校で学ぶ子どもは6人ですが、小学生未満は11人で、地域に活気が出てきました。
私の地元も含めて、高齢化・過疎化に悩む地域は多いのですが、石徹白は自然エネルギーなど地域にある資源を活用して地域おこしをする1つのモデルです。もちろん、それを可能とした、信念を持って活動した人々の存在があってのことですが、希望を感じさせ、大いに参考になる経験でした。
政府・与党は,電力会社の利権を守らんと,自然エネルギーに冷淡な施策をとっています。温暖化抑止の国際的な潮流を無視して石炭火力発電所を建設しようとし、東日本大震災の反省もせずに原子力発電を推進しています。
多様な自然エネルギーで補い合いながら需要を賄う仕組みを作らなければなりません。無所属の会の皆さんを中心とした野党が,その推進力になっていただきたいと期待しています。