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予算委員会(2)─ライバル政党を全否定する発言は許せない

安倍総理の自民党大会における「あの悪夢のような民主党政権の誕生」という発言について、予算委員会で取り上げました。メディアの報道も表面的なものが多いと感じるので、改めて私の思いを述べたいと思います。

私は、自民党政権の政策や政治姿勢を厳しく批判してきました。しかし、お互い競い合うライバルとして、常に自民党に対する敬意を忘れないよう心がけてきたつもりです。相手を全否定することは、健全な政党政治、民主主義にとってマイナスであると考えるからです。

安倍総理のあの発言には、民主党に対する敬意は全くなく、単にこき下ろしているだけです。発言時の表情は、おごりに満ちた異様なものに見えました。私は、リーダーとして安倍さんにもっと謙虚になってもらいたいのです。

民主党政権時、十分でないことも多く、国民の皆さんから合格点をいただけなかったことは事実です。具体的な批判は結構ですが、ライバル政党の存在そのものを否定するような言い方は、政党政治を破壊することになりかねません。

私が取り上げた具体例が原発事故です。民主党政権時代の最大の出来事であり、いまなお生活を破壊され苦しんでいる多くの方々がいます。もっとうまく対応できなかったのか、私自身いまも強い反省があります。

しかし、「事故の根源的理由は、平成23年3月11日以前に求められる」(国会事故調報告書)以上、自民党政権を担った安倍さんには、同じ思いを共有してもらいたいのです。その反省が少しでもあれば、民主党政権を全否定するのではなく、責任を共有する気持ちになるはずです。

安倍さんの自民党大会での発言時、最初ほとんど拍手がありませんでした。会場の自民党員の皆さんにも、戸惑いや違和感があったのではないでしょうか。

民主主義そして政党政治は、相手を全否定しては成り立たない──。これが、予算委員会質疑の中で私が繰り返し述べたメッセージです。安倍さんには、一国のリーダーとして、もっと謙虚になってもらいたいと心から願い、私は、予算委員会の質疑でこの問題を取り上げました。

しかし、安倍さんの答弁は、私が期待したものには程遠いもので、本当に残念でした。やはり選挙で結果を出すしか、安倍さんのおごりは改められないのでしょうか。

最近読んだ本に、我が意を得たりと感じました。
「民主主義を機能させるために必要不可欠なのは寛容と自制心だ」
(『民主主義の死に方』第5章 民主主義のガードレール)
https://www.shinchosha.co.jp/book/507061/



コメント
  1. まーく より:

    小選挙区制度では、相手などいらないのです。議論など無意味
    だって小選挙区制度。支持者の声に耳を傾けるだけでわずか2割以下の支持で7割近くの議席を得ることができて。あとの8割は泣き寝入り。
    そういう制度を1994年に作った。政策は語られなくなるだろう、1つの政党だけが支配するようになるだろう。
    当時言われていた。モラルも何もかにもがなくなる世界になる。犯罪も堂々とおこわなれる。支配者に必要以上に強力な権力が集中して、日本全体が破壊されて立ち直れなくなるまでなにもできなくなると言われていた。
    そして今はそれに向かって驀進中。野党など小選挙区制度においては必要ない。野党は連合が分断を請け負っているからばらばらで自公に勝てない。しっかりと仕組みが出来上がっているように思う。
    小選挙区制度をなくそうという声が起きないうちは、悪夢だといわれても仕方のない状態だ。小選挙区制度は、民衆の心をむしばみ、退廃堕落させる制度だ。アメリカやイギリスのように侵略戦争をできる国にさせる制度だ。

    • かめ より:

      確かにまーくさんのおっしゃるとおりだと思います。小選挙区制を変えない限り、民主主義は生き返れない気がします。
      過半数に満たない支持で、過半数以上の議席を得てしまうことの不当性を訴えていくしかないと思います。野党の皆さんに過去何回かの選挙結果から、最も死に票の少ない区割りを計算していただいて、都道府県単位でない中選挙区制の案を作成して国民に訴えていくしかないのではないかと思います。

  2. 遠藤久夫 より:

    民主党に投票した有権者は悪魔なのですか?教えてください。

  3. 保守本流の真髄 より:

    岡田先生の仰ることはよく分かりますが、相手はからかっているのだから小沢先生のように軽くあしらうのが印象としてはよろしいかと思います。また野党は劣勢なのだから手段を選んでる場合じゃない。野党は何もかも捨てて遮二無二やらないと。岡田先生も野党大結集に向け舞台裏で全力投球願います。もう重鎮の立場なんだし質問なんかやってる場合じゃない。

  4. 林直哉 より:

    全くおっしゃる通りです。謙虚な心がなくては弱い立場の人を救うことは出来な思います。

  5. 立憲頑張れ、政権交代実現。 より:

    おっしゃる通りです。
    安倍政権の、偽装・隠ぺい・改ざん・おごりの政治はどう見ても異常です。
    「実るほど頭が下がる稲穂かな」
    どうにかしてこのことを安倍晋三少年に分からせなければなりません。
    岡田さん、頑張ってください。

    自民党に対抗する大きな塊が必要なことは当然ですが、
    立憲と国民民主をくっつけることがベストかはじっくり考えていただきたいと思います。

  6. mgogh より:

    全く同感です。今の安倍政権には対話するという観点が全然無く、民主主義の何たるかも理解できず、政治を益々先の見えないものにしています。

  7. いぬ より:

    私は思います。今の自民党政策はここまで
    日本の価値をだいぶ損なってしまったと感じています。数字上は上手くいっているように言っていますが、その代償に多くの価値を下げまくっていることになんら危機感を持たず大丈夫なのかと感じています。民主党の政権時代を続けて暗いトンネルを抜ける選択を国民はしなかったのか残念に思っています。あくむなんかじゃありません、自民党政策が日本の平和、安定の道を閉ざしてしまったあくむと思います。
    でも、それも認め合い平和的にされている岡田様を応援したくメールいたしました。
    失礼な言葉がありましたらお許しください。

  8. 熊五郎 より:

    岡田さん立派なことを申されましたね。大変心強く思います。
    今の安倍政権には全く期待することはありません。自分の政権運営を正当化するため、様々なデータを改ざんし、いかにも自分の手柄だっと公言する等謙虚さも素直さも全くない政権です。その上、言論の自由さえ無くそうとするなど、危険極まりない政権であり正当だと思っております。麻生氏においては安倍と同格です。
    そもそも、今の自民党そのものが数集めの集団で、情けない政党だと思います。
    今度の選挙で自民党の数を減らし、衆院と参院でねじれ現象が起きることを期待しております。
    政治が一時、停滞しても今の安倍政権から一日も早く日本の国を救ってほしいと願っております。

  9. 中田悌夫 三重鈴鹿 より:

    安倍晋三は、政治家と違う。相手を全否定するのは、政治家と違う。独裁者です!敬意を払う、尊敬できる人でないと。
    危険な人が自民には沢山いる。日本人の危険だと思う。

  10. 84歳 北じい より:

    僕も予算委員会での岡田さんの質問見ました。日露平和条約問題・北方領土問題、とても解り易かったです。安倍総理の
    進めている方針では、二島返還で終わり、二島は永遠に帰ってこないと思いました。北方領土は日本固有の領土という日本の主張はどこに行ってしまったのでしょう。更なる追及をお願いします。安倍総理のかっての民主党を全否定した発言
    にも呆れかえりましたね。僕も各政党が政策をめぐって議論を闘わすのは当然だと思います。その議論の中にもお互いの政党を尊重する気持ちが無ければならないと思います。あの発言は、相手を尊重するかけらも見えませんでしたね。
    一国の総理がとる態度ではないと思いました。やはり、一日も早く退陣してもらわないと、日本の政治はますます曲がった方に行くように思いました。国会での議論は勿論、参議院議員選挙を通じて国民に安倍の危険な姿勢・言動を明らかにし、追及してほしいと思います。

  11. ひらぬま より:

    事実、悪夢だったことを悪夢と言って何故取り消さないといけないんですか?

  12. 売国奴が より:

    自分たちが与党のライバルだと思ってるんですか?
    自分たちのことを棚に上げて、ろくな代案も示さずに文句だけ言って、国民の税を無駄にしてる集団なのに?

    頭が悪いのではないかと思うほど自己評価が高いんですね

    旧・民主党が与党になった時から今までの支持率見てみたらいいんじゃないですか?

  13. 数十年前の失策の果てに より:

    悪夢の民主党政権、撤回しなさい、撤回しなさいと言われても撤回しません、というあの論戦。
    聞き流せなかった岡田さん。一言言わせてもらうと、安倍首相は民主党をライバルという存在には思ってないでしょうね。
    私が聞き捨てならなかった言葉は、民主党政権時の野田首相が言い放ったこと。官僚をシロアリと表現した。罵ったからといて改まるものではない。その官僚を機能させるのが政治。そんな言われ方して誰が動くものか。素人でもわかること。それを聞いて民主党は資質がないと失望した。

  14. へちま より:

    こんなとこでムキになって見苦しい。負け犬の遠吠えである。
    民主党政権時代、幻滅したことがある。
    官僚をシロアリ呼ばわりしたことだ。官僚を使いこなしてこその政権であるのに、そんなことを言われて誰が働くものか。素人でもわかることが民主党の先生にはわからないのだろうか?これを言い放つ者がリーダーであっていいはずがない。

  15. 岡原一寿 より:

    ライバルを全面否定せず、民主主義は寛容と自制だという岡田さんのが政治的理想は岡田さんだけのもので、ほかの野党諸氏には共有されていません。自民党を全面否定する福山幹事長のような人もいます。岡田さんの最も苦手とする所かもしれませんが、やはり政治的僚友、お仲間を増やすことだと思います。

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