第二次補正予算―必要だが懸念も大きい(その1)
麻生大臣の財政演説が行われ、第二次補正予算の審議がスタートしました。総額32兆円、すべて国債でまかなわれます。
具体的な歳出内容は、例えば家賃・雇用支援、医療体制の強化など野党共同会派で議論したことが多く盛り込まれています。本来、第一次補正で対応すべきだったとは言え、内容は概ね評価できます。ただし、現在、持続化給付金の透明性を欠く支給体制などが大きな問題となっており、今後審議の中で同様の新たな論点が浮上する可能性があります。
歳出の中で最大の問題は、10兆円の予備費です。これだけ巨額のものは前例がありません。予算案は国会での審議・議決を経てはじめて実施できます(憲法86条)。国民の税金により賄われている予算に対し、国会が事前にきちんとチェックすることが必要との考えによるもので、この民主的統制を脱法的にすり抜けようとするものです。国対委員長間の協議の結果、5兆円分について使途の大枠が財政演説に盛り込まれたことは一歩前進ですが、これで十分とはとても思えません。
本来であれば、具体的な必要性が出たところで、第三次補正予算を準備すべきなのです。国会閉会中で、速やかな対応ができないとの意見があります。しかし、そもそも新型コロナウィルス対策として、政府が国民生活に大きな影響を及ぼす様々な対応を迫られる緊急事態に国会を閉めること自体が極めて問題なのです。
安倍総理の早く国会を閉じてしまいたいとの思いが、この異様に大きな、憲法の精神に反しかねない予備費計上となりました。自分の身を守るために平気で憲法の精神をないがしろにする安倍総理のいつものパターンの繰り返しです。
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