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小水力発電―可能性を拡げたい

 三重民主連合の仲間とともに、伊賀市大山田、布引地区にある小水力発電の視察に行ってきました。

 地域の中を流れる馬野川(淀川の源流の一つ)の標高462m地点で取水し、385m地点にある発電所まで水圧管で送水し、水車を回して発電するというものです。出力は199kwで、固定価格買取制度によって電力会社に売電されます。地元の建設会社の若い経営者である松崎さんが地域の住民の理解と支援のもと、ゼロからスタートさせ昨年に完成しました。

 小水力発電については私は従来から強く惹かれるものがあり、副総理として規制改革に取り組んだ際に河川法上の許可手続きの簡素化を実現しました(2012年4月10日閣議決定)。また2年前には岐阜県郡上市の現場を視察しました。日本のように高低差のある河川が豊富にある国にとって、小水力発電は新エネルギーとして大きな可能性があり、また人口減少がすすむ中山間地域の地域興しとしても有効なのです。
 
 何に苦労しましたかと質問しました。大正8年に、より小規模な水力発電所が創業され昭和33年に廃止されるまで実働していたため、地元の理解を得ることに大きな苦労はなかったとのこと。三重大学の協力を得ることもできました。他方で河川法上、一級河川馬野川に取水口を建設することはハードルが高く、その上流の普通河川馬野川から取水せざるを得なかったこと、オオサンショウウオの生息地が近かったことから丁寧な事前調査が求められたことなど県・市に対する度重なる説明が必要で、完成までに7年間かかったとのことでした。

 今回のケースは松崎さんの熱意と行動力で完成することができました。しかし、小水力発電を普及させるためには手続きの簡素化や事前調査段階での補助制度など、まだまだやるべきことがあると改めて実感しました。そして明治・大正時代に電力を自給するために小規模水力発電が各地で利用されていたことは新たな発見でした。



コメント
  1. むろけん より:

    自然エネルギーの活用は、地球環境の保全や原子力発電の事故リスクを考慮すれば、今後ますます重要性が高まると思います。国土の地理的・気候的な特性から水力・風力など、適しているグリーン電力の種類が異なってきますが、岡田先生が書いておられるように、日本では水力発電が適している場所が随所に見られます。

    また、水力発電は太陽光や風力のような不安定な電力供給ではないことや、場合によっては豪雨時の治水機能を持たせることも可能で、集中豪雨の頻度が高まってきている日本に必要な物ではないでしょうか?

    関連する法律の改正など、小水力発電の設置を容易にするような立法措置が期待されるところです。

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