「やらせ」と郵政造反組復党――国民を甘く軽く見ている
今日私が皆さんにお伝えしたいのは、例のタウンミーティングにおける「やらせ」発言の問題です。お金を払っていたということも、新たな事実として出てきました。
特に私が問題だと思うのは、あらかじめ何を聞くかということが政府サイドから依頼されていて、質問者がそれを基に聞いているという、いわゆる「やらせ」の問題です。
タウンミーティングで総理や各大臣が来て市民対話をするという発想は非常に素晴らしいと思いますが、それがあらかじめ仕組んであったということになると、これは全然話が違ってきます。
「生」でやり取りが出来るということが、こういったタウンミーティングの最大の魅力であるにもかかわらず、それがそうじゃなかった。そして、そうじゃないということが隠されていたということです。
答弁になる総理や各大臣も、私の経験で言いますと、質問があらかじめ準備されたものか、それともその質問者の自らの気持ちで質問されたものかというのが、聞けば大体分かるわけです。
そういう意味では、私は答弁者である大臣等も含めての、大がかりな芝居だったと言われても仕方がないと思います。
もちろん私自身も、地元で例えば座談会といったことをやっていますと、中にはとんでもない質問も出てきます。
しかし、それに対する答えも含めて、まさに「生」だからこそ面白いし、本音が出るのだと思います。
それを「やらせ」でやっていたというのは、私は有権者を甘く見ている、軽く見ている、一種の「騙し」だと言われても仕方がないと思います。
同じような問題が、実は1年前の総選挙における、郵政民営化に反対の人たちを対抗馬を立てて、そして党の外に出してしまった。対抗馬も立てた。
それをわずか1年ちょっと経った現在、元に戻すという話が大真面目で自民党の中で議論されているということです。
1年前を思い出していただくと、「郵政民営化賛成か反対か、それを国民に問いたい」というのが、小泉さんの最大のメッセージ発信でした。
そしてわざわざ対抗馬を立てて、単に離党させただけならともかく、対抗馬も立てて有権者にどっちがいいのか、郵政民営化に反対する前自民党の議員か、それとも、新たに自民党の候補者になった刺客か、どちらがいいかを有権者に選ばせたわけです。
そして、選挙の最大の争点は、そういった刺客騒動、そういった中での郵政民営化の是非ということに小泉さんは仕立て上げたわけです。
それが1年経ってまた戻してしまう。あのときに、自民党の人たちが言ったことは、郵政民営化に反対するような人を外に出すことで、自民党が新しくなるんだ、変わるんだ、ということを盛んに強調されました。
それを戻すということになれば、自民党が変わる、新しくなるという、その公約は全くご都合主義だったと言われても仕方がありません。
私はタウンミーティングにおける「やらせ」の問題と、そして今回の郵政民営化に反対した人たちを戻そうという話に共通するのは、国民・有権者を非常に甘く見ているということだと思います。
「やらせ」でもいいや、どうせ分からないだろう、そこに真剣な国民の声を聞こうという思いはありません。
そして、1年経てば総選挙のことはみんな忘れているだろう、公約をきちんと出して、それを実現していくことそが選挙の意味であり、政治家の責任であるという真摯な思いはそこにはありません。
皆さん、こういう政治で本当にいいんでしょうか。こういった自民党の政治に対して、はっきりと「ノー」と言う。そういう機会が来年の参議院選挙だと私は思います。
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