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2006.11.25|TALK-ABOUT [ブログ]

久々に訪れたソウルより――北朝鮮問題を中心に

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私はいま、韓国のソウルにいます。23日木曜日、24日金曜日、丸2日間にわたって、ソウルでいろんな人とお会いし、意見交換をしました。

そもそも今回の訪韓は、ソウル大学のお招きで、ソウル大学日本研究所の主催する公開講演会で日韓関係について語ってくれということでしたので、その要請に応じたものです。


約60人の若い学生や研究者の前で、日韓関係とその将来についてお話をし、10人を超える人たちからご質問をいただきました。

若い人たちの率直な質問、そして意見交換、大変意義のあることだったと思います。

そして、それに合わせて、従来から親しくしていた政治家たちを中心に、幅広くメディア関係者や日本専門家と意見交換をしてきました。

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政治家では特に、従来から親しくしてきた与党ウリ党の中心人物、大統領候補にも名前が挙がっていますが、チョン・ドンヨン(鄭東泳)さん、あるいはチョン・ジョンベ(千正培)さん、そういった人たちと意見交換をしました。

与党ウリ党もいま、ノ・ムヒョン(盧武鉉)大統領の支持率低下と歩調を合わせるように、低支持率に苦しんでいて、なかなか悩みは深いなあと改めて感じました。

しかし、チョン・ドンヨンさんやチョン・ジョンベさんが中心になって、これから与党ウリ党を立て直していかなければいけない、そういう立場にあるわけで、党再生に賭ける彼らの強い意欲を改めて感じた次第です。

そして、野党側から大統領候補ナンバー1、与野党超えて韓国全体で次の大統領に最も近いといわれるイ・ミョンバク(李明博)前ソウル市長とも1時間ほどお話をさせていただきました。

非常に物静かにお話をされるわけですが、元ヒュンダイ(現代)建設の社長も務められ、大変実行力のある市長として人気の高かった人です。

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静かな中で、言葉は少ないのですが、はっきりと物を言われる方で、韓国の中でいま非常に期待が高まっているのも理解が出来る、よく分かる、私自身もそういう印象を受けました。

今回の訪韓の中で感じることは、1つは経済問題で、二極化(※韓国では両極化)ということが盛んに議論されていて、そこは日本とかなり似た状況にあるということです。

経済のグローバル化が進むなかで、ある意味同じ問題に直面していることは当然かもしれません。

ただ、違うのは、韓国の中ではストライキがかなり広範に行われていて、ここは日本とかなり違うなあと思いました。

そして、政治家たちとの議論の中で、北朝鮮の問題を中心に議論をしました。

私の主張はかねて申し上げているように、北朝鮮が核を持つ決意でいる、そういう前提でいるときに、それを諦めさせるためには、経済制裁を強めていくしか手はない。

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したがって、国連安保理決議に基づく経済制裁、それで十分でなければ、さらに国際社会が協調して、制裁を強めていく。

ただ、その前提として、武力行使はしない、あるいはレジーム・チェンジ(体制転換)を求めない、そういう前提に立ったうえで経済制裁を強めていく、それが唯一の核開発を諦めさせる道ではないか、そういった私の主張を申し上げたうえで、意見交換をしました。

韓国では経済制裁について、従来から疑問の声がありました。太陽(包容)政策というのが、いまのノ・ムヒョン大統領の従来の基本的考え方。北風でマントを飛ばそうとするのではなくて、太陽を照らすことで、自らマントを脱ぐことを期待しようというものです。

ただ、いざ核実験を北朝鮮が行ったなかで、そういう従来の政策に対する反省の声もたくさん聞かれました。

もちろん、同じ民族である、したがって、彼らが目の前で飢えているときに、手を差し伸べないということは、人道上許されないことであるという声も一方でありましたが、しかし、そういう形でやって来た結果、結局何も進展しなかった、核開発だけが進んでしまった、そういう声も聞かれました。

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私が申し上げたことは、やはり北朝鮮の核の問題の直接の当事者は韓国と日本である。もちろんアメリカはこの問題の中心的役割を果たしていますが、アメリカの政策も政権の中で揺れがあって、必ずしもこの5年、一貫した対北朝鮮政策があったわけではない。

そういう意味では、直接の当事者である日本と韓国が、しっかりと連携をしながら、対北朝鮮政策をまずしっかり作り上げ、その上でアメリカ、あるいは中国、ロシアを巻き込んで、北朝鮮に対して当たるということが非常に重要ではないか。

日韓協調ということ、少なくとも、北朝鮮が核を持つというこの危機の事態において、日韓の意思疎通をもっともっと強くする必要があるのではないかということを、皆さんに伝えてきたところです。

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いずれにしても、久し振りに訪れるソウルは、日本と同じようにタワーマンションが林立し、いろんな意味で、日本と似てるなあと改めて感じました。



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