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自動車減産―地元経済に深刻な影響

 地元をまわっていると、自動車メーカーの減産が地元経済や国民生活に深刻な影響を及ぼしつつあることが実感されます。
 当初半導体不足が原因とされ、その解消は予定より長引いています。それに加えて、最近は新型コロナウイルスのデルタ株による感染拡大が、タイ、ベトナムやインドネシアの生産活動の停滞を招き、部品の調達に支障が出ています。小さな部品であっても、それがなければ自動車の生産が止まってしまいます。他から調達しようとしても汎用品ならともかく、直ちに入手することは困難です。大手自動車メーカーは5割、6割といった大幅な減産を強いられています。
 昨年の秋以降、日本経済が何とか成長できたのは、中国や米国の自動車需要の増加に伴い、日本の自動車メーカーが輸出増となったことがきっかけです。今は輸出だけでなく国内需要に対応することもできず、自動車ディーラーは需要はあっても玉不足で販売することができなくなっています。裾野の広い自動車産業です。地元をまわっていると三次、四次の下請企業は本当に厳しい状況になりつつあることを実感します。仕事が半分以下になった昨年5月ごろを上回る状況です。日本経済、地域雇用に及ぼす影響は大きく、これ以上減産が長くなるようであれば、政府の対応が必要です。
 新型コロナウイルスの感染拡大が自動車産業のサプライチェーンに切実な影響を及ぼすことを、改めて実感しました。現在、ワクチンの先進国における3回目接種と、途上国の2回接種率を高めることのバランスをどうとるかが議論されています。日本においても3回目接種は必要ですが、途上国において広くワクチン接種がなされない限り、日本を含めた先進国の経済や雇用の安定も確保できないことが改めて明らかになったと思っています。世界の人々が接種できるだけのワクチンの増産は、人類共通の課題です。



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