日米合同委員会 ― より開かれた運用を
外務委員会で、日米合同委員会の情報公開の問題を取り挙げました。
日米安保条約に基づいて日本に駐留する米軍の、日本における施設・区域の使用、日本における米軍の地位について規定したのが日米地位協定です。その実施機関が日米合同委員会で、外務省 北米局長と、在日米軍副司令官を共同議長として、定期的に開催されています。
合意されたことが発表されることはあっても、議論の内容が明らかにされたことはなく、また、発表されない重要な合意があるのではとの指摘がなされてきました。私自身も、強い問題意識を持ってきた問題で、今回まとまった議論を林大臣、北米局長との間で行うことができました。
まず、最近問題となった沖縄や岩国の在日米軍の米国出国前検査と入国後の移動制限に関して、日米間で認識の不一致があったことについて議論。私は、オミクロン株の国内感染拡大につながった可能性があるこの重要な問題について、外務省は説明責任を果たすべきであり、この問題を協議した日米合同委員会の議事録を公開すべきと主張。議事録は双方の合意がないと公表できない、外交上のやり取りは明らかにできないとの政府答弁に対し、そもそも安全保障の問題ではなく米国の同意があれば公表可能で、その努力をすべきだ、なぜ日米間で認識の不一致が生じたのか国民に対して説明する責任があると指摘したものの、議論は平行線に終わりました。
次に合同委員会議事録について、一般論として質疑。まず、すべての議事録が公文書として保存されていることが確認されました。重要な公文書は30年間保存後公開が原則、例外的に非公開期間を延長することが認められています(公文書管理法、外交記録公開に関する規則)。古いものは60年以上経過しているにも関わらず、非公開か公開かの審査すら行われていないことが明らかになりました。現在も職務上必要であり、継続して使われているものがあるとの説明ですが、それは一部であって大部分は公開可能なはずです。その判断すら行っていないというのです。
2001年の情報公開法、2009年の公文書管理法は、公文書は、公正で民主的な行政を推進するために、公文書の保存と一定期間経過後の公開を義務付けています。外交文書も、当然両法の適用があります。60年以上前の局長級合意がそれに優先しているのは、異常なことです。
私は、議事録公表を他の外交文書並みの扱いとすること、毎回議事概要は発表することを提案しました。林大臣は、「(外交文書公開の)仕組み、趣旨がしっかりと活かされるように、私も取り組んで参りたいと思っている」との答弁がありました。
地位協定の運用について、様々な問題点の指摘がなされている中で、まず情報公開が適切になされる仕組みを実現することが、相互理解、信頼関係構築の第一歩と考え、今後ともこの問題に取り組んでいく決意です。
コメント
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日米合同委員会が日米両国政府の頭越しに、色々な取り決めを国内法を無視して行っているという話を、まさに今日知りました。
恐ろしい話で、これで日本は本当に独立国であると言えるのかと。
両国の今後の健全な関係維持を考えると、早急にこのような秘密会合を取り止めるべきであろうと思います。
非常に危険な状況が長年放置されている事にこそ、日本の異常さがみてとれると思います。
国民が政治家に付託し、政治家が官僚を使役する本来の体制を取り戻すべきです。
一官僚が国民と政治家を蔑ろに、重要事項を取り決める事などあってはなりません。
この件は、岡田先生しか頼りに出来ません。
鳩山総理が普天間基地移転問題を契機に退陣を余儀なくされたこと、根底には日米合同委員会の存在と官僚の裏切りがあったと聞いています。
今後この様な事が起きないように、岡田先生宜しくお願い申し上げます。
国民主権が担保されているのか、という事は重要課題だと認識しているのですが、9条の意味、が、日本のみならず、世界の安全保障に占める責務について、日々国民レベルでの研究が、重要であると思います。