理解しがたい大手行の政治献金再開とりそな銀の融資増
最近のメディアをにぎわす問題として、大手銀行の政治献金再開の問題があります。
このことは、私も初めて聞いたとき強い違和感を持ちました。つまり銀行は、まず税金を資本注入されて、それを返済したとはいえ、それから間もないわけです。そして、法人税は払っていないし、しばらく払わなくていい仕組みになっています。
一方で、預金者の金利はほとんど付かない状況。こういう状況の中で、政治献金だけさっさと再開をするということは理解しがたいことです。
しかし、私は献金を再開する経営者に対して、やや同情の念を禁じ得ません。彼らもいまの段階で献金を再開することが決して国民から歓迎されない、強い批判を浴びるであろうということは、当然予想していたはずです。
しかし、再開せざるを得ない何かがあった。それは自民党からの強い要請だったと私は思います。現に自民党の中川幹事長は、その再開について歓迎の意を記者会見でも述べていました。しかし、あまりにも反発が強すぎるというなかで、安倍総裁がこれを拒否したということです。
大手行からすれば、献金しろと言われて再開しようとしたら、今度は要らないと言われる。そういう意味では、一番戸惑っているのは大手行の経営者の皆さんではないかと思います。
そして、大手行の中のりそな銀行、大手行の中では最も体力の回復が十分でない状況にあります。そして、資本注入も受けている。そういった銀行が自民党に対する融資を増やしているということに、私は極めて不健全なものを感じるわけです。
担保も取らずに、巨額の金を政党に貸すということは、私は株主に対しても預金者に対しても説明できないことだと思います。当然、自民党の要請に基づいて融資を増やしてきたと思いますが、自民党のほうも、そういったまだ国の関与の残っているりそな銀行からの融資を増やしているということについて、きちんとした説明責任が求められると思います。
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